死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を36月以上納めた方が、年金を受け取らずに亡くなったとき、生計を同じくしていた遺族に支給される給付です。金額は納付月数に応じて12万〜32万円。請求期限は2年で、寡婦年金とはどちらか一方を選びます。日本年金機構の公式資料をもとに整理します。
死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者として保険料を36月(3年)以上納めた方が、老齢基礎年金・障害基礎年金のどちらも受け取らずに亡くなったとき、生計を同じくしていた遺族に支給される給付です。金額は納付月数に応じて12万〜32万円(2026年7月時点)。請求期限は亡くなった日の翌日から2年で、寡婦年金とはどちらか一方を選んで受け取ります。
この記事でわかることは次の3点です。
- 死亡一時金の支給条件と金額(納付月数ごとの表)
- 受け取れる遺族の範囲と順位、請求期限
- 寡婦年金との違いと、どちらを選ぶかの考え方
死亡一時金とは
死亡一時金は、国民年金の第1号被保険者(自営業者・学生・無職の方など、自分で国民年金保険料を納める立場の方)が、年金を受け取らないまま亡くなったときに、遺族に支給される給付です。
支給される条件は、次のとおりです。
- 亡くなった方が、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月(3年)以上あること
- その方が、老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受け取らないまま亡くなったこと
会社員などが加入する厚生年金の期間は、この36月には含まれません。あくまで「自分で国民年金保険料を納めた月数」が対象です。長く年金保険料を納めてきたのに、年金を受け取る前に亡くなってしまった——そうした場合に、納めた保険料が掛け捨てにならないよう用意された制度です。
死亡一時金の金額(納付月数別)
金額は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数に応じて、次のように決まっています。
| 保険料を納めた月数 | 支給額 |
|---|---|
| 36月以上180月未満 | 120,000円 |
| 180月以上240月未満 | 145,000円 |
| 240月以上300月未満 | 170,000円 |
| 300月以上360月未満 | 220,000円 |
| 360月以上420月未満 | 270,000円 |
| 420月以上 | 320,000円 |
出典: 名古屋市「死亡一時金」(2026年7月時点で確認)/日本年金機構「死亡一時金」
さらに、付加保険料(国民年金保険料に上乗せして納める保険料)を36月以上納めていた場合は、上の額に8,500円が加算されます。
金額は制度改定で変わることがあります
上の金額は2026年7月時点で公表されている額です。年金制度は改定されることがあり、金額も変わる可能性があります。実際の支給額は、年金事務所またはねんきんダイヤルでご確認ください。
受け取れる遺族と請求期限
死亡一時金を受け取れるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、次の順位で優先順位が高い方です。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
先の順位の方がいる場合、後の順位の方は受け取れません。たとえば配偶者がいれば、配偶者が受け取ります。
なお、遺族が遺族基礎年金を受け取れる場合には、死亡一時金は支給されません。遺族基礎年金は、子のある配偶者や子が受け取れる年金です。どちらの対象になるかは、遺族の構成によって変わります。
請求期限は、亡くなった日の翌日から2年です。この期間を過ぎると時効となり、請求できなくなります。請求は「国民年金死亡一時金請求書」を年金事務所などに提出して行います。
寡婦年金との違い
死亡一時金とよく比べられるのが「寡婦年金」です。どちらも国民年金の第1号被保険者だった夫が亡くなったときに関わる給付ですが、性格が異なります。
| 項目 | 死亡一時金 | 寡婦年金 |
|---|---|---|
| 給付の形 | 一度きりの一時金 | 一定期間、継続して受け取る年金 |
| 受け取れる人 | 生計を同じくしていた遺族(配偶者・子など) | 一定の要件を満たす妻 |
| 主な対象 | 遺族の範囲が広い | 夫を亡くした妻に限られる |
寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者として一定期間保険料を納めた夫が年金を受け取らずに亡くなったとき、婚姻期間などの要件を満たす妻が、原則60歳から65歳になるまでの間受け取れる年金です。受給要件や金額の詳しい条件は、日本年金機構の案内や年金事務所で確認してください。
大切なのは、両方の要件を満たす場合でも、死亡一時金と寡婦年金はどちらか一方しか選べないという点です。一時金でまとまって受け取るか、年金として一定期間受け取るか、どちらが世帯にとって有利かは、納付月数や妻の年齢によって変わります。年金事務所で両方の見込み額を確認したうえで選ぶのが確実です。
あわせて確認したいこと
亡くなった方が年金を受け取っていた場合や、亡くなった月分までの年金がまだ振り込まれていない場合は、未支給年金とは|誰が受け取れる?請求手続きと期限も確認してください。死亡一時金とは別の手続きです。
遺族年金全体の仕組みは遺族年金とは|もらえる人・基礎と厚生の違いを整理にまとめています。
年金以外にも、葬儀のあとには期限が決まった手続きが続きます。何をいつまでにやるかは死亡後の手続き一覧で確認できます。
この記事について
本記事は、国民年金の死亡一時金制度の一般的な概要をまとめたものです。実際の支給額・受給できる遺族の範囲・請求期限・寡婦年金との選択は、個別の状況によって変わります。最終的な可否や金額は、年金事務所・ねんきんダイヤルなど日本年金機構の窓口でご確認ください。
よくある質問
死亡一時金はいくらもらえますか?
国民年金の第1号被保険者としての保険料納付月数に応じて、12万円から32万円の範囲で決まります。36月以上180月未満で12万円、420月以上で32万円です。さらに付加保険料を36月以上納めていた場合は8,500円が加算されます(2026年7月時点)。実際の額は年金事務所で確認してください。
死亡一時金は誰が受け取れますか?
亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順で、優先順位が高い方が受け取ります。先の順位の方がいる場合、後の順位の方は受け取れません。なお、遺族が遺族基礎年金を受け取れる場合には、死亡一時金は支給されません。
死亡一時金の請求期限はいつまでですか?
亡くなった日の翌日から2年です。この期間を過ぎると時効となり、請求できなくなります。国民年金死亡一時金請求書を年金事務所などに提出して請求します。
死亡一時金と寡婦年金はどちらももらえますか?
両方の受給要件を満たす場合でも、どちらか一方を選んで受け取ります。両方を同時に受け取ることはできません。どちらが有利かは納付月数や妻の年齢などの条件によって変わるため、年金事務所で試算を確認したうえで選ぶのが確実です。
死亡一時金を受け取る条件は何ですか?
亡くなった方が、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月(3年)以上あり、老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受け取らないまま亡くなったことが条件です。会社員などが加入する厚生年金の期間は、この月数には含まれません。
出典