お悔やみの言葉は「このたびはご愁傷さまでございます。心よりお悔やみ申し上げます」が基本形です。この一言だけで失礼にはなりません。長く語るより、短く静かに伝えて一礼するほうが、遺族の負担になりません。
急いでいる方は、この3点だけ持って向かってください。
- 受付・遺族へ → 「このたびはご愁傷さまでございます。心よりお悔やみ申し上げます」
- 避ける言葉 → 「たびたび」「重ね重ね」などの重ね言葉、死因を尋ねること
- 宗派がわからないとき → 「ご冥福」ではなく「お悔やみ申し上げます」を選ぶ
基本の文例|まずこの形を覚える
お悔やみの言葉は、故人を悼み、遺族をいたわるための挨拶です。全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)の解説でも、基本形として次のような表現が挙げられています。
このたびは、誠にご愁傷さまです。心よりお悔やみ申し上げます。
「ご愁傷さま(ごしゅうしょうさま)」は「あなたの悲しみを気の毒に思います」という意味の言葉です。テレビドラマの影響で皮肉に聞こえないか心配する方もいますが、弔事の場では正式な挨拶として通用します。
遺族は当日、何十人もの参列者に応対しています。言葉を尽くすより、短く伝えて一礼するのが思いやりになります。
「ご愁傷様です」と「お悔やみ申し上げます」|続けて使う場面とメールの例
2つは言い換えではなく、続けて使う言葉です。「ご愁傷様です」で遺族の悲しみを気づかい、「お悔やみ申し上げます」で故人を悼む気持ちを伝えます。全葬連の解説に出てくる文例を、場面ごとに並べました。
| 場面 | 全葬連の文例 | 形 |
|---|---|---|
| 受付で香典を渡すとき | 「この度は、誠にご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。」 | 2つを続ける基本形 |
| 遺族に直接声をかけるとき | 「この度は、まことにご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。」 | 「ございます」で一段丁寧に |
| 四十九日など後の法要 | 「本日はご愁傷様です」 | 「この度は」を「本日は」に |
| メールの件名 | 「ご愁傷様です」「訃報に接し」「お悔やみ申し上げます」に自分の名前を添える | 件名で用件と差出人がわかる形 |
| メール本文(あまり親しくない相手) | 件名「ご愁傷様です」、本文「突然の訃報に接し、大変驚いております。心よりお悔やみ申し上げます。」 | 件名と本文で2つを分けて使う |
| メール本文(親族へ) | 「この度は、ご愁傷様でございます。突然のことで、まだ気持ちの整理がつきません。」 | 書き出しに「ご愁傷様」を置く |
出所: 全葬連「お悔やみの言葉:状況に応じた正しい言葉遣いの基本とマナー」、全葬連「お悔やみの言葉:メールもこれで安心、シーン別文例とマナーを解説」(どちらも2026年9月26日確認)
全葬連の文例では、「ご愁傷様です」は対面の挨拶だけでなく、メールの件名や書き出しにも使われています。メールでどちらか1つにするなら、宗教を問わず使える「心よりお悔やみ申し上げます」を本文に入れておけば足ります。メールの件名や相手別の全文はお悔やみメールの文例にまとめています。
場面別の文例
先に全体を一枚で見ておきます。全葬連の解説が場面・相手ごとに挙げている言い方を、そのまま並べました。
| 場面・相手 | ひとこと目の例 | 添えること |
|---|---|---|
| 通夜・葬儀の受付 | 「この度は、誠にご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます」 | 香典は「ご霊前にお供えください」と添え、袱紗から取り出して両手で差し出す |
| 焼香のあと | 「お辛い中、大変お疲れ様でございます」 | 遺族に一礼してから焼香する |
| 友人・知人 | 「突然のことで、まだ信じられません」 | 長電話は避け、簡潔に済ませる |
| 職場関係 | 「ご生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」 | 仕事上の付き合いがあった場合のあらたまった形 |
| 親族 | 「突然のことで、言葉もありません」 | — |
| 病気・事故・急死 | 「突然のことで、お慰めの言葉もございません。ご遺族の悲しみいかばかりかとお察し申し上げます」 | 死因は尋ねない |
| メール | 件名は「ご愁傷様です」「訃報に接し」など、用件が伝わる簡潔なもの | 本文で悲しみと故人を偲ぶ言葉を述べる |
| お悔やみを言われた側 | 「お気遣いいただき、ありがとうございます」 | 無理に返そうとせず、自分の言葉で |
出所: 全葬連「お悔やみの言葉:状況に応じた正しい言葉遣いの基本とマナー」(2026年9月6日確認)。葬祭事業者の団体がまとめた公開解説で、地域や家によって使われる言い方は変わります。
通夜・葬儀の受付で
- 「このたびはご愁傷さまでございます」
- 「心よりお悔やみ申し上げます」
香典を差し出しながら、どちらか一言で十分です。受付が遺族本人とは限らないので、長い挨拶はここでは必要ありません。香典は袱紗(ふくさ)から取り出して両手で渡します。手順は袱紗の使い方・包み方にまとめています。
職場関係(上司・同僚・取引先)へ
- 「このたびは誠にご愁傷さまでございます。ご無理をなさいませんように」
- 「ご生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます」
2つめは故人と仕事上の付き合いがあった場合の、ややあらたまった形です。
友人へ
- 「このたびは本当に残念です。なにか手伝えることがあったら、いつでも言ってね」
- 「大変だったね。落ち着いたらまた連絡させて」
親しい間柄なら、型どおりの言葉より普段の言葉で寄り添うほうが気持ちは伝わります。ただし死因を尋ねない、長電話にしないという線は守ります。
メール・LINEで送るとき
全葬連の解説では、メールは時間を気にせず送れて記録にも残るため、直接の連絡が難しい場面で使えるとされています。件名は「お悔やみ申し上げます(山田太郎)」のように、用件と自分の名前がひと目でわかる形にします。
件名: お悔やみ申し上げます(山田太郎)
ご母堂さまのご逝去を知り、驚いています。 心よりお悔やみ申し上げます。 大変なときにご連絡をいただき、ありがとうございました。 どうかご無理をなさらないでください。 なお、返信はどうぞお気遣いなさいませんように。
文末に「返信不要」の一文を添えると、忙しい遺族への気遣いになります。
避けたい言葉|忌み言葉と重ね言葉
弔事では、不幸の繰り返しを連想させる言葉を避ける慣習があります。全葬連の解説では、次のような言葉が「忌み言葉」として挙げられています。
| 避けたい言葉 | 理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| たびたび・重ね重ね・くれぐれも | 同じ言葉の繰り返し(重ね言葉)が不幸の再来を連想させる | 「どうか」「なにとぞ」 |
| 再び・追って | 不幸が続くことを連想させる | 「改めて」 |
| 四・九 | 「死」「苦」に通じる数字とされる | 数を出す表現自体を避ける |
このほか、「死んだ」「亡くなった」という直接的な言い方は、「ご逝去(ごせいきょ)」「お亡くなりになった」と言い換えます。
また全葬連は、死因を根掘り葉掘り尋ねることや、「お若いのに」と故人の年齢に触れることは、遺族を傷つけるおそれがあると注意しています。事情を知りたくなっても、遺族が自分から話すまで待つのが礼儀です。
宗教・宗派で変わる表現|「ご冥福」の扱い
お悔やみの言葉のなかには、特定の宗教観を前提にした表現があります。代表が「ご冥福をお祈りします」です。
- 仏式では広く使われる表現です
- 神道では「ご冥福」は使わないとされています(全葬連の解説より)
- 浄土真宗では、亡くなった方はすぐに阿弥陀仏の浄土に生まれるという教えから、冥途の幸福を祈る「ご冥福」はなじまないとされることがあります
- キリスト教では「お悔やみ」より「安らかな眠りをお祈りいたします」のような表現が選ばれる傾向があります
相手の宗教・宗派がわからない場面のほうが多いはずです。その場合は「このたびは、本当に思いがけないことで」「心よりお悔やみ申し上げます」のような、宗教色のない表現を選べばどの式でも失礼になりません。
宗派・地域による違い
言葉の慣習は宗派だけでなく、地域や家ごとの考え方によっても異なります。この記事は一般的な例のご紹介です。判断に迷うときは、式を担当する葬儀社に確認するのが確実です。
お悔やみを言われた側の返し方
自分が遺族の立場でお悔やみを受けたときは、短い言葉で受け止めれば十分です。
- 「恐れ入ります」
- 「ありがとうございます」
- 「生前はお世話になりました」
一人ひとりに長く応える必要はありません。会釈だけになってしまっても、その場では誰も失礼とは受け取りません。
なお、参列にあたって香典の金額に迷ったら、続柄と年代から目安を出せる香典相場診断を参列前に確認してください。身内を亡くした後の過ごし方については喪中とは|期間と範囲にまとめています。
よくある質問
「ご愁傷さまです」は口頭で使っていい言葉ですか?
口頭でのお悔やみの定番表現です。受付や遺族への挨拶では「このたびはご愁傷さまでございます」と伝えます。一方、メールや手紙では「心よりお悔やみ申し上げます」「哀悼の意を表します」のような書き言葉が使われるのが一般的です。
「ご愁傷様です」と「お悔やみ申し上げます」は続けて言ってもいいですか?
続けて言うのが基本の形です。全葬連の解説でも、受付での文例として「この度は、誠にご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。」が挙げられています。前半で遺族の悲しみを気づかい、後半で故人を悼む気持ちを伝える組み合わせです。メールでも、件名に「ご愁傷様です」、本文に「心よりお悔やみ申し上げます」と分けて使う文例が紹介されています。
お悔やみをLINEやメールで送るのは失礼ですか?
親しい間柄であれば、すぐに気持ちを伝えられる手段として使われるようになっています。時間を気にせず送れて相手の負担になりにくい反面、略式の連絡手段なので、目上の方や改まった関係では弔問や手紙が丁寧です。文末に「返信は不要です」と添えると気遣いが伝わります。
「ご冥福をお祈りします」は使わないほうがいいですか?
仏式では広く使われる表現ですが、神道では使わないとされています。また浄土真宗では、亡くなった方はすぐに仏になるという教えから、なじまないとされることがあります。相手の宗教・宗派がわからないときは「心よりお悔やみ申し上げます」を選べば失礼になりません。
お悔やみの言葉をかけられたら、何と返せばいいですか?
「恐れ入ります」「ありがとうございます」「生前はお世話になりました」のように短く返せば十分です。気の利いた言葉を探す必要はありません。
香典はいくら包めばいいですか?
香典の金額は故人との続柄とあなたの年代によって変わります。続柄と年代を選ぶだけで目安がわかる香典相場診断を用意しているので、参列前に確認してください。
出典
