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香典・ご祝儀 / 作法の手引き

香典返しののし|表書き・名前・掛け方の作法

結論

香典返しには、のし(熨斗)の付いた「のし紙」ではなく、水引だけが印刷された「掛け紙」を使います。水引は黒白の結び切り(関西〜西日本では黄白も)、表書きは「志」(同じく西日本では「満中陰志」も)、名前は喪家の姓か「○○家」。四十九日前に贈るなら薄墨、忌明け後なら濃い墨と使い分けます。

このページは掛け紙(のし)の選び方と書き方に特化しています。香典返しの金額・時期・品物選びの全体像は香典返しの基本をご覧ください。

注文前に決めるのは、次の5点です。

決めること香典返しでの選び方地域・宗教で変わるところ
掛け紙の種類のしの付かない、水引だけが印刷された掛け紙—
水引黒白の結び切り関西〜西日本では黄白を用いることもある
絵柄仏式なら蓮の花が描かれたもの仏式以外は蓮の花のないものを選ぶ
表書き「志」関西〜西日本では「満中陰志」も。神式・キリスト教式では「偲草」も
名入れ喪家の姓、または姓に「家」を付けた形喪主のフルネームを書く場合もある

出所: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」(2026年9月6日確認)。掛け紙の慣習をまとめた事業者の公開解説であって、公的な定めではありません。

「のし」はもともと慶事の飾り

のし(熨斗)は「熨斗鮑(のしあわび)」の略で、慶事の贈り物に添える縁起物です。かつては本物のあわびを添えていましたが、現在は紙に印刷するのが一般的になりました。

ここから紙の呼び分けが生まれます。

呼び方印刷されているもの使う場面
のし紙水引+のしお祝いなどの慶事
掛け紙水引のみ香典返しなどの弔事

縁起物であるのしは弔事には向かないため、香典返しには水引だけが印刷された掛け紙を使うのが一般的とされています。

出典: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」 https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/gift_contents_92.aspx

とはいえ、店頭では掛け紙も含めて「のし」と呼ぶのが通例です。注文時に「香典返しです」と伝えれば、適切な掛け紙を選んでもらえます。

掛け紙の選び方|水引と絵柄

水引は黒白の結び切りが基本

香典返しの水引は「黒白の結び切り」がごく一般的です。関西〜西日本では「黄白の水引」を用いることもあるとされています。結び切りには、結び直せない=弔事が繰り返されないように、という意味が込められています。

ほどけそうでほどけない「あわじ結び」が使われることもあります。あわじ結びは慶弔どちらにも使われる結び方です(以上、郵便局のネットショップの解説より)。

香典をいただく側の袋の水引と考え方が対になっています。香典袋側の水引の選び方は香典の書き方で解説しています。

蓮の花の絵柄は仏式だけ

仏式の葬儀であれば、蓮の花が描かれた掛け紙が適切とされています。逆に、キリスト教式など仏式以外では蓮の花が描かれていない掛け紙を選びます(郵便局のネットショップの解説より)。先方ではなく故人側(贈り主側)の宗教に合わせる場面なので、迷うことは少ないはずです。

表書き|「志」と「満中陰志」

仏式の表書きは「志(こころざし)」とするのが一般的です。関西〜西日本では「満中陰志(まんちゅういんし)」とすることもあります。

満中陰志は3つの言葉でできています。「満(満ちる)」「中陰(故人があの世へ旅立つまでの四十九日間)」「志(気持ちばかりのお返し)」。合わせて「四十九日の忌明けに贈る、遺族からの感謝のしるし」という意味になります(郵便局のネットショップの解説より)。

葬儀の形式・地域表書き贈る時期の目安
仏式(全国)志忌明け(四十九日)のあと
仏式(関西〜西日本)志/満中陰志同上
神式志/偲草五十日祭のころ
キリスト教式(カトリック)志/偲草三十日目の追悼ミサのころ
キリスト教式(プロテスタント)志/偲草一ヶ月目の召天記念日のころ

出所: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」(2026年9月6日確認)。神式・キリスト教式にはもともと香典返しの習慣がなく、右の列は品を用意する時期として同解説が挙げている区切りです。

神式・キリスト教式の場合

神式やキリスト教式には、本来香典返しの習慣はありません。ただ実際には、神式では五十日祭、キリスト教式では三十日目の追悼ミサ(カトリック)や一ヶ月目の召天記念日(プロテスタント)のころに、香典返しにあたる品を用意することが多いとされています。表書きは「志」に加えて「偲草(偲び草)」が使われることもあります(郵便局のネットショップの解説より)。

名入れ|喪家の姓か「○○家」

名前は、水引を挟んで表書きの真下にくるように書きます。書き方は3通り紹介されています(郵便局のネットショップの解説より)。

名入れの形書き方の例選ばれやすい場面
喪家の姓のみ佐藤姓で相手に伝わるとき
喪家の姓+「家」佐藤家家として贈る形にしたいとき
喪主のフルネーム佐藤一郎親族に同じ姓が多いとき

出所: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」(2026年9月6日確認)。右の列は3つの使い分けを整理したもので、同解説はどれが正しいかを定めていません。

墨の濃さ|贈る時期で変わる

香典袋の表書きは薄墨が正式とされますが、香典返しの掛け紙は時期によって使い分けます。

贈る時期掛け紙の墨挨拶状の文字
四十九日を迎える前薄墨薄く
忌明け後(四十九日のあと)濃い墨(印刷もグレーではなく黒)濃く

出所: 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」(2026年9月6日確認)。

香典返しは忌明け後に贈るのが一般的なので、多くの場合は濃い墨になります。時期の考え方は香典返しの基本と忌明けとはで解説しています。

掛け方(内のし・外のし)は注文先に確認を

掛け紙を包装紙の内側に掛けるか(内のし)、外側に掛けるか(外のし)という論点もありますが、全国共通の決まりを示す業界団体の解説は確認できませんでした。地域の慣例や、手渡しか配送かで扱いが分かれる部分なので、品物の注文先(百貨店・ギフト店・葬儀社)に地域と渡し方を伝えて相談するのが確実です。

なお包装紙自体は、派手なデザインを避け、淡いブルーや銀など地味な色合いを選ぶとされています(郵便局のネットショップの解説より)。

地域・宗派による違い

表書きや水引の色は、地域や宗派、家ごとの慣習によって異なります。この記事は一般的な例のご紹介です。とくに「志」か「満中陰志」かは地域差が大きいので、迷ったら品物の注文先か葬儀社に確認してください。

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よくある質問

香典返しに「のし」を付けるのは間違いなのですか?

呼び方の問題です。のし(熨斗)はもともと慶事の贈り物に添える縁起物なので、弔事の香典返しには向かないとされ、水引だけが印刷された「掛け紙」を使います。ただ、日常会話やお店では掛け紙のことも「のし」と呼ぶのが通例なので、注文時に「香典返し用ののしを」と伝えれば正しい掛け紙を用意してもらえます。

表書きは「志」と「満中陰志」のどちらにすればいいですか?

郵便局のネットショップの解説では、仏式の表書きは「志」とし、関西〜西日本では「満中陰志」とすることもあるとされています。全国的に通じるのは「志」です。地域の慣例が気になる場合は、品物の注文先(百貨店・ギフト店・葬儀社)に地域を伝えて確認するのが確実です。

名前はフルネームで書きますか?

基本は喪家の姓のみ、または姓に「家」を付けて「○○家」と書くとされています(郵便局のネットショップの解説より)。喪主のフルネームを記載する場合もあります。名前は水引を挟んで表書きの真下に配置します。

香典返しの掛け紙も薄墨で書きますか?

時期によって変わるとされています。四十九日を迎える前に贈る場合は薄墨、忌明け後の香典返しでは濃い墨を用いると案内されています(郵便局のネットショップの解説より)。添える挨拶状の文字も同様に、四十九日前は薄く、四十九日後は濃くします。

神式やキリスト教式の場合、表書きはどうしますか?

神式・キリスト教式には本来香典返しの習慣はありませんが、神式では五十日祭、キリスト教式では追悼ミサや召天記念日のころに相当の品を贈ることが多いとされています。表書きは「志」のほか「偲草(偲び草)」が使われることもあります。掛け紙は蓮の花が描かれていないものを選びます。

出典

  1. 郵便局のネットショップ「香典返しの掛け紙(のし紙)を徹底解説!」
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「香典返し:香典返し完全ガイド」