香典袋に書くのは4か所です。①外袋の上段中央に表書き(一般的な仏式の通夜・葬儀は「御霊前」、浄土真宗は「御仏前」)、②下段中央に自分のフルネーム、③中袋の表に金額を漢数字で、④中袋の裏に住所と氏名。薄墨が正式とされますが、黒インクの筆ペンやサインペンでも問題ないとされています(全葬連)。
香典は、亡くなった方のご遺族へ弔意として渡す金銭で、不祝儀袋(香典袋)に包んで渡します(全葬連「香典袋の書き方完全ガイド」・2026年9月6日確認)。書き方の作法は、この袋のどこに何を書くかという話です。
香典袋の書き方一覧|どこに何を書くか
書く場所は、上から順に4か所です。中袋のない袋では、外袋の裏が中袋の代わりになります。
| 書く場所 | 書くこと | 書き方 | 手順 |
|---|---|---|---|
| 外袋の表・上段 | 表書き | 御霊前・御仏前など | 手順1 |
| 外袋の表・下段 | 名前 | フルネーム | 手順2 |
| 中袋の表 | 金額 | 大字で縦書き | 手順3 |
| 中袋の裏 | 住所・氏名 | 郵便番号から | 手順4 |
| 外袋の裏 | 住所・金額 | 中袋なしの袋だけ | 中袋なし |
出所: 全葬連「香典袋の書き方完全ガイド」(2026年9月6日確認)。郵便番号から書く点は小さなお葬式・イオンのお葬式の解説(2026年10月6日確認)。
以下、この順に一つずつ埋めていきます。
香典袋の書き方見本(図解)
4か所を書き終えた形を、袋の面ごとに並べました。名前と住所は記入例です。金額の「壱萬圓」は書き方を示すための例で、包む額の目安ではありません。
中袋がないタイプは、外袋の裏に金額と住所を書きます(中袋がない香典袋のとき)。表書きは宗教と時期で変わるので、手順1の早見表で選び直してください。
表書きから迷ったら、条件を確認。
下の早見表と同じ内容を、場面に合わせて確認できます。
わからないときは、葬儀社や式の担当者へ表書きを確認してください。
出典:全葬連・御仏前と御霊前の使い分け。地域や寺院によって異なります。案内がある場合は、そちらを優先してください。
手順0:袋を確認する
書く前に、袋が場に合っているかだけ確認してください。香典袋の水引は、黒白または双銀の「結び切り」(不幸が繰り返されないようにという意味の、ほどけない結び方)が一般的です。蓮の花が描かれた袋は仏式専用なので、神式・キリスト教式では無地を選びます。
また全葬連の解説では、水引の色は包む額に合わせるとされています。黒白・青白は千円〜五千円、黄白は一万円〜五万円(主に西日本)、双銀は五万円以上が目安で、一万円以上を包む場合は印刷ではなく本物の水引を選ぶよう案内されています。
手順1:表書きを選ぶ(上段中央)
表書きは宗教と時期で決まります。全葬連の解説に沿った早見表です。
| 宗教・場面 | 表書き |
|---|---|
| 仏式(四十九日より前=通夜・葬儀) | 御霊前・御香典・御香料 |
| 仏式(四十九日法要以降) | 御仏前 |
| 浄土真宗(時期を問わず) | 御仏前 |
| 神式 | 御玉串料・御榊料・御神饌料 |
| キリスト教式(共通) | 御花料 |
| キリスト教式(カトリック) | 御ミサ料 |
| キリスト教式(プロテスタント) | 献花料 |
出所: 全葬連「香典袋とは:御仏前?御霊前?迷った時の香典袋の書き方とマナー」(2026年9月6日確認)。表書きは宗教・宗派・時期で変わるもので、全国共通の決まりではありません。
宗教・宗派がわからないときは、「御霊前」を一律に選ばず、葬儀社や式の担当者に確認してください。全葬連の解説でも、浄土真宗では葬儀の時点から「御仏前」を使い、ほかの仏式では一般に四十九日を境に使い分けると案内されています。地域や寺院によっても異なります(2026年10月1日確認)。
浄土真宗では「御霊前」を使いません
浄土真宗では、亡くなった時点で成仏すると考えるため、葬儀の時点から「御仏前(ごぶつぜん)」を使い、「御霊前」は使わないとされています。宗派がわからないまま迷ったときの考え方は御霊前とはで詳しく解説しています。作法は宗派だけでなく地域や寺院によっても異なるため、不安なら葬儀社に確認してください。
手順2:名前を書く(下段中央)
水引の下・中央に、表書きよりやや小さめにフルネームを書きます。立場別の書き分けは次のとおりです(全葬連の解説より)。
- 個人で出す場合。フルネームを中央に。姓と名の間にスペースは空けません
- 夫婦連名の場合。夫の姓名を中央に書き、その左側に妻の名前(名のみ)を書きます
- 妻が夫の代理で参列する場合。中央に夫の氏名、その左下に小さく「内」と書きます
- 会社名を添える場合。中央に氏名、その右側に会社名を書きます。イオンのお葬式の解説では、会社名は少し小さめに、「株式会社」も省略せず正式名称で書くとされています
- 部署一同で出す場合。中央に「〇〇部一同」のように書きます
- 上司の代理で参列する場合。本来参列する方の氏名を中央に書き、左横に「代」を添えます
- 友人など複数名の連名。右側に代表者(目上の人)、左へ順に。上下のない友人同士なら、五十音順で右から並べる形も紹介されています(イオンのお葬式)。何人から「外一同」にするかは解説によって違うので、次の表で確かめてください
連名・一同のとき|人数別の書き分け
何人まで表に名前を並べるか、全員の住所・氏名をどこに書くかは、解説によって分かれます。4つの解説を2026年10月6日に見比べました。
| 人数 | 外袋の表(下段) | 住所・氏名を書く所 |
|---|---|---|
| 2人 | 2人の氏名を並べる | 中袋の裏に2人とも |
| 3人 | 3人の氏名を並べる | 中袋の裏か別紙 |
| 4人以上 | 代表者名+「外一同」 | 別紙に全員分 |
| 部署・団体 | 「〇〇部 一同」など | 別紙に全員分 |
出所: 小さなお葬式「香典の中袋の正しい書き方」・同「香典を連名で出してもいいのか?」・イオンのお葬式・家族葬のファミーユ・全葬連(2026年10月6日確認)。
表に3人まで並べる形は、小さなお葬式・イオンのお葬式・ファミーユの解説によるものです。全葬連の解説は、3名以上で代表者名に「外一同」を添え、中袋に全員の氏名と住所を書く形を案内しています。3人のときの住所は、中袋に全員分を書く解説(小さなお葬式)と、3人以上は別紙にする解説(ファミーユ)があります。
別紙には決まった様式はなく、白い無地の便箋でよいとされています。目上の人から順に、全員の住所・氏名と、それぞれが出した金額を書き、お金と一緒に中袋へ入れます(小さなお葬式・イオンのお葬式の解説)。ご遺族が、誰がいくら包んだかを確かめて香典返しを手配するためのものです。
連名にするときの金額の考え方は友人の香典、職場での出し方は会社関係の香典相場で解説しています。
手順3:中袋の表に金額を書く
中袋の表の中央に、金額を漢数字(旧字体・大字)で縦書きします。算用数字(5,000など)は使わないとされています(全葬連の解説)。よく使う書き方の例です。
| 包む額 | 中袋の書き方(例) |
|---|---|
| 三千円 | 参仟圓 |
| 五千円 | 伍仟圓 |
| 一万円 | 壱萬圓 |
| 三万円 | 参萬圓 |
| 五万円 | 伍萬圓 |
| 十万円 | 拾萬圓 |
出所: 全葬連「香典袋の書き方完全ガイド」(2026年9月6日確認)。左の「包む額」は書き方の例を示すためのもので、包むべき額ではありません。
金額の後に「也(なり)」を付けるのが正式な書き方ですが、省略しても問題ないとされています(全葬連の解説)。
市販の袋には、中袋に横書きの記入欄が印刷されたものもあります。その場合は枠に合わせて、算用数字(10,000など)で書いてかまわないとされています(小さなお葬式・イオンのお葬式の解説、2026年10月6日確認)。壱萬圓のような大字で書くのは、縦書きのときです。
金額そのものにもタブーがあります。4・9の付く額と偶数は避けるとされています(全互協のマナー解説では2千円と2万円はかまわないとされています)。いくら包むかから迷っている方は、続柄と年代で目安がわかる香典相場診断と香典相場早見表をどうぞ。
手順4:中袋の裏に住所と氏名を書く
中袋の裏面に、住所と氏名を書きます。全葬連の解説では、住所は都道府県から書き始め、マンション名や部屋番号も省略しないよう案内されています。ご遺族が香典を整理し、香典返しを手配するときに使う情報だからです。
夫婦連名の場合は、ここでも夫の姓名を中央に、妻の名前を左側に書きます。
小さなお葬式の解説では、住所は郵便番号から書くとされています。縦書きで番地や部屋番号を書くときは、金額と違って大字は使わず「一」「二」のような普通の漢数字にし、ゼロは「〇」と書きます。電話番号は書く決まりはなく、添えるなら住所と同じく漢数字で書くと案内されています(小さなお葬式・2026年10月6日確認)。
中袋がない香典袋のときは
中袋のないタイプでは、香典袋の裏面に金額と住所を書きます。全葬連の解説では、水引の下段左側に金額を、その右側に少し小さめの字で住所を縦書きするとされています。
薄墨と筆記具のマナー
- 表書きは薄墨で書くのが正式とされています。薄墨は悲しみや涙を表す色とされているためです
- 本来は毛筆が正式ですが、薄墨の筆ペンでも問題ありません。最近では黒インクでも問題なく、筆ペンやサインペンで書くのが一般的とされています
- 薄墨の濃さに決まりはありませんが、黒に近い濃さは避け、読みやすい薄さがよいとされています
出所: 全葬連「香典袋の書き方完全ガイド」・「香典袋とは」(2026年9月6日確認)。薄墨と筆記具の扱いは同解説の案内で、地域や家によって受け止め方は異なります。
薄墨を使うのは外袋の表です。中袋は読みやすさが第一なので、黒のボールペンやサインペンで書いてかまわないとされています(小さなお葬式・イオンのお葬式の解説、2026年10月6日確認)。小さなお葬式の解説では、中袋は薄墨では書かないとされています。
急な通夜で道具がそろわなくても、読みやすく丁寧に書いてあることのほうが大切です。
郵送するときも書き方は同じ
参列できず現金書留で送る場合も、香典袋の書き方はこのページの手順と同じです。全葬連の解説では、中袋の金額の記入漏れに注意し、欠席のお詫びとお悔やみを書いた手紙を同封するとされています。宛名は喪主にするのが一般的で、わからない場合はご遺族の代表者宛てに送ります。
書き終わったら:最終チェックリスト
- 表書きは宗教・時期に合っているか(浄土真宗は「御仏前」)
- 名前はフルネームか。連名の順番・「外一同」は正しいか
- 中袋の表に金額(漢数字)、裏に住所・氏名を書いたか
- 金額に4・9・偶数が入っていないか。新札を入れていないか(新札は事前に用意していたと捉えられるため避けるとされます)
- お札の向きと外袋のたたみ方を確かめたか。手順は香典のお金の入れ方にまとめています
- 袱紗(ふくさ)に包んだか。色や包み方は袱紗とはで図解しています
なお、結婚式などお祝い事の袋は書き方のルールが変わります。慶事はご祝儀袋の書き方をご覧ください。同じ弔事でも、法要で僧侶に渡すお布施は薄墨を使わず、新札も避けないとされています。封筒の書き方はお布施の書き方にまとめました。
よくある質問
薄墨の筆ペンが用意できないときは、黒で書いてもいいですか?
問題ないとされています。全葬連の解説では、表書きは薄墨で書くのが正式とされる一方、最近では黒インクでも問題なく、筆ペンやサインペンで書くのが一般的と案内されています。急な通夜で薄墨が手に入らないことを気に病む必要はありません。
表書きで迷ったら、何と書けばいいですか?
宗教・宗派がわからない場合は、葬儀社や式の担当者へ確認してください。全葬連の解説では、浄土真宗は葬儀の時点から「御仏前」、それ以外の仏式は一般に四十九日より前は「御霊前」、四十九日法要以降は「御仏前」と案内されています。地域や寺院の案内を優先してください。
夫婦で出すときは、妻の名前も書きますか?
全葬連の解説では、夫婦連名の場合は夫の姓名を中央に書き、その左側に妻の名前(名字は書かず名前のみ)を書くとされています。妻が夫の代理で参列する場合は、中央に夫の氏名を書き、左下に小さく「内」と記します。
連名は何人まで名前を書けますか?
表に名前を並べるのは3名までとする解説が多く(小さなお葬式・イオンのお葬式・家族葬のファミーユ)、4名以上は代表者名に「外一同」を添えます。全葬連の解説は、3名以上で「外一同」とする形です。右側に目上の人や代表者、左に向かって順に並べます。表に書ききれない人の住所・氏名と各自の金額は、白い便箋などの別紙に書いて中袋に入れる形が案内されています。
中袋の金額や住所は省略してもいいですか?
省略しないでください。全葬連の解説でも、中袋の金額の記入漏れは避けるべきこととされ、住所・氏名はご遺族が香典を管理するうえで必要な情報とされています。香典返しの手配にも使われるため、都道府県から部屋番号まで正確に書くのが親切です。
中袋に横書きの記入欄が印刷されているときは、算用数字で書いてもいいですか?
かまわないとされています。小さなお葬式とイオンのお葬式の解説では、横書きの記入欄がある袋は枠に合わせて書き、算用数字(10,000など)で書いてよいと案内されています。縦書きで書くときは、壱萬圓のような大字を使います。
出典
- 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「香典:香典袋の書き方完全ガイド!表書きから金額、渡し方まで徹底解説」
- 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「香典袋とは:御仏前?御霊前?迷った時の香典袋の書き方とマナー」
- 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「香典:これで迷わない!香典を郵送する際の注意点と手紙の文例」
- 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「お葬式のマナー」
- 小さなお葬式「香典の中袋の正しい書き方とは?宗派ごとの表書きの書き方もあわせて解説」
- 小さなお葬式「香典を連名で出してもいいのか?家族・会社の場合の書き方や金額マナーを解説」
- イオンのお葬式「中袋なしの香典袋の書き方とお札の入れ方-会社名や数字のマナー」
- 家族葬のファミーユ「香典の連名(2・3・4人以上)|書き方・金額に関するマナー」
