水引は、ほどけない「結び切り・あわじ結び」を結婚や弔事に、結び直せる「蝶結び」を出産や入学に使う飾りひもです。色は慶事が紅白・金銀、弔事が黒白・双銀・黄白。本数は5本が基本で結婚だけ10本。慶弔まとめて使い分けを整理します。
水引は、結び方・色・本数の3つで慶事と弔事を使い分けます。ほどけない「結び切り・あわじ結び」は結婚や弔事など繰り返さないほうがよいこと、結び直せる「蝶結び」は出産・入学・お歳暮など何度あってもよいことに使います。色は慶事が紅白・金銀、弔事が黒白・双銀・黄白。本数は5本が基本で、結婚だけ10本を使います。
贈り物にかける飾りひもが「結び切り」でよかったのか、それとも「蝶結び」だったのか。袋やのし紙を前にして手が止まる場面があります。水引は、次の3つの軸を知っておけば慶事も弔事も選び分けられます。
- 結び方 → 結び切り・あわじ結びは結婚や弔事、蝶結びは出産・入学・お歳暮
- 色 → 紅白・金銀は慶事、黒白・双銀・黄白は弔事(黄白は主に西日本)
- 本数 → 慶事は5本が基本、結婚だけ10本
このページで扱う範囲
このページは、水引という飾りひもそのものの意味と、慶事・弔事での使い分けの総論です。ご祝儀袋の格や金額別の選び方はご祝儀袋の選び方、香典袋(不祝儀袋)の水引や柄の選び方は香典袋の選び方へ。のし紙・内のし外のしの違いはのし(熨斗)とはで扱います。ここでは袋選びには踏み込まず、「どの結び・色・本数を、どの場面で使うのか」に絞って整理します。
使い分けの早見表|結び方と場面
まず、どの結びをどの場面で使うかを一覧にします。迷ったらこの表に戻れば判断できます。
| 結び方 | 形の特徴 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 結び切り | 固く結ばれ、ほどけない | 結婚祝い、快気祝い、通夜・葬儀・法事など弔事全般 |
| あわじ結び | 両端を引くとさらに固く締まる | 結婚祝い、弔事全般(結び切りの応用) |
| 蝶結び(花結び) | 何度でもほどいて結び直せる | 出産・入学・昇進・お歳暮・長寿など、繰り返してよいお祝い |
軸は「もう一度ほどけるか、ほどけないか」の一点です。ほどけない結び切り・あわじ結びは「一度きりであってほしいこと」に、結び直せる蝶結びは「何度あってもうれしいこと」に使います。結婚祝いと弔事に蝶結びを選ばない、とだけ覚えておけば大きく外しません。
結びに込められた意味|ほどける/ほどけない
三つの結びは、形そのものに意味を持たせています。
結び切りは、一度結ぶとほどけません。ゼクシィの解説では、この形が「人生で一度きりで二度あってほしくないこと」を表すため、結婚式に用いられると案内されています。弔事でも同じ考え方で、全葬連の解説では、結び目が固くほどけないことから「繰り返してはならないこと」を表し、葬儀や法事に使うとされています。結婚と弔事という正反対の場面に同じ結びを使うのは、どちらも「繰り返したくない」出来事だからです。
あわじ結びは、結び切りを応用した飾り結びです。ゼクシィの解説では、縁起もののアワビに形が似ていることから「あわび結び」と呼ばれ、それが転じて「あわじ結び」になったと案内されています。両端を引くとさらに固く締まる結びで、全葬連の解説でも、一度きりを願う慶事(結婚式など)にも弔事にも使うとされています。結び切りより華やかに見えるため、結婚祝いの袋ではこのあわじ結びをよく見かけます。
蝶結び(花結び)は、簡単にほどけて何度でも結び直せます。ゼクシィの解説では、この性質から「何度あってもうれしいこと」に使い、人生で一度きりが望ましい結婚式にはタブーとされると案内されています。出産・入学・昇進・お歳暮のように、繰り返して喜びたいお祝いに向く結びです。
色の使い分け|慶事は紅白・金銀、弔事は黒白・双銀・黄白
次に色です。水引の色は、慶事と弔事をひと目で分ける目印になります。
| 場面 | 主に使う色 |
|---|---|
| 慶事(結婚・出産・長寿など) | 紅白、金銀 |
| 弔事(通夜・葬儀・法事) | 黒白、双銀、黄白 |
慶事では紅白が基本で、金銀は婚礼など格の高い場面で使われます。ゼクシィの解説でも、結婚式では紅白や金銀が一般的とされ、最近はそれ以外の華やかな色も見られると案内されています。
弔事では、包む金額によって色を変えます。全葬連の解説では、黒白・青白が全国的に使える基本の色で千円〜五千円、黄白が一万円〜五万円、双銀が五万円以上の目安とされています。金額別の香典袋の格は香典袋の選び方で詳しく扱うため、ここでは色の意味に絞ります。
弔事の色で覚えておきたいのが、黄白の地域差です。全葬連の解説では、黄白は主に西日本で用いられ、京都などでは黒白よりも一般的とされています。関東で育った人が京都の弔事に出て黄白の水引を見て戸惑う、という行き違いはここから生まれます。自分の地域の色がどこでも通じるわけではない、と知っておくと安心です。
本数の意味|5本が基本、結婚だけ10本
水引の本数にも決まりがあります。慶事の水引は奇数が基本で、5本を標準とします。
| 本数 | 使う場面 | そう説明している解説 |
|---|---|---|
| 5本 | 慶事の基本。弔事も5本が基本 | リンベル |
| 7本 | 格式の高さに応じて。丁寧に見せたい内祝いなど | リンベル |
| 10本(5本×2) | 結婚祝い。「両家が合わさる」「喜びを重ねる」 | ゼクシィ |
| 9本 | 使わない。「苦」に通じるとされる | リンベル |
以下、順に見ていきます。リンベルの解説では、慶事では基本的に5本を使い、格式の高さに応じて7本を選ぶこともあると案内されています。より丁寧に見せたい内祝いなどで7本が使われる、という使い分けです。
例外が結婚です。ゼクシィの解説では、結婚祝いの水引は5本×2=10本で、「両家が合わさる」「喜びを重ねる」意味があるとされています。奇数が基本の慶事で、結婚だけが10本という数を使うのは、二つの家が一つになる祝いだからです。
奇数のなかでも9本は使いません。リンベルの解説では、9本は「苦」に通じ縁起が悪い数字とされ、用いられないと案内されています。弔事の水引も5本が基本です。細かく数える必要はありませんが、「結婚は10本、それ以外の慶事は5本、9本は避ける」と押さえておけば売り場で迷いません。
水引の由来と産地
最後に、水引がどこで生まれ、どこで作られているかにも触れておきます。長野県の紹介ページの記述を時期順に並べると、次のような流れです。
| 時期 | 起きたこと |
|---|---|
| 江戸時代 | 髪を結ぶ紐「元結(もとゆい)」が普及。飯田では藩主が和紙を活用して作らせた |
| 明治維新後 | 断髪令で元結が生活必需品ではなくなる |
| その後 | 元結に改良を加え、光沢を出した丈夫な水引が生まれる |
| 現在 | 長野県飯田市が国内最大級の製造地 |
水引の一大産地が、長野県飯田市です。長野県の紹介ページによると、飯田市は水引の国内最大級の製造地とされています。もともと飯田は和紙の製造が盛んで、江戸時代に普及した髪を結ぶ紐「元結(もとゆい)」を、当時の藩主が和紙を活用して作らせたのが始まりと紹介されています。
その元結は、明治維新後の断髪令で生活必需品ではなくなりました。長野県の紹介ページでは、需要が減ったこの時期に、元結へ改良を加えて光沢を出した丈夫な水引が誕生したと案内されています。髪を結ぶ紐が、贈り物を結ぶ飾りへと姿を変えて今に残っている、という流れです。結び方や色に意味を込める文化も、こうした長い歴史のなかで受け継がれてきました。
地域・慣習による違い
水引の色や本数の考え方は、地域や家ごとの慣習によって異なる場合があります。黄白の水引が主に西日本で使われるのはその一例です。この記事は一般的な例のご紹介です。迷ったときは、両家の年長者や式場・葬儀社の担当者に確認するのが確実です。
よくある質問
蝶結びと結び切り、どちらを選べばいいか迷いました。見分け方は?
「結び直せる形かどうか」で判断します。何度でもほどいて結び直せる蝶結びは、出産・入学・お歳暮など「何度あってもよいこと」に使います。ほどけない結び切り・あわじ結びは、結婚や弔事など「繰り返さないほうがよいこと」に使います。結婚祝いや香典に蝶結びは選びません。
水引の色は紅白と金銀のどちらが格上ですか?
どちらも慶事用ですが、金銀は婚礼など格の高い場面で使われます。日常のお祝いは紅白が一般的です。ゼクシィの解説でも、結婚式では紅白や金銀が一般的と案内されています。弔事では黒白・双銀・黄白を使い、慶事の紅白・金銀は選びません。
結婚のご祝儀に10本の水引を使うのはなぜですか?
ゼクシィの解説では、結婚祝いの水引は5本×2=10本で、「両家が合わさる」「喜びを重ねる」意味があると案内されています。慶事の水引は奇数(5本が基本)ですが、結婚だけは10本を使うのが一般的です。
黄白の水引はどんなとき、どの地域で使いますか?
全葬連の解説では、黄白の水引は弔事で一万円〜五万円を包む場合の目安とされ、主に西日本で用いられ、京都などでは黒白より一般的と案内されています。地域の慣習によるところが大きいので、迷ったら親族の年長者か葬儀社に確認するのが確実です。
水引が印刷された袋は略式ですか?本物の水引との使い分けは?
少額を包む場合は印刷タイプでも差し支えないとされています。全葬連の解説では、一万円以上を包むときは印刷ではなく実際に水引がかかった袋を選ぶよう案内されています。包む金額が大きくなるほど、実物の水引がかかった格の高い袋を選ぶのが一般的です。
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