遺品整理は「いつから・自分でやるか業者に頼むか・何に気をつけるか」の順で考えると迷いません。始める時期の目安、公開調査による費用データ、国民生活センターが注意を促すトラブルの避け方を、出典つきで整理しました。
遺品整理は、「いつから始めるか → 自分でやるか業者に頼むか → 何に気をつけるか」の順で考えると迷いません。始める時期に決まりはなく、法要や相続、退去期限に合わせるのが一般的です。業者に頼む場合は、必ず複数社から見積もりを取り、作業内容と費用の内訳を書面で確認してください。残す物と処分する物を先に分けておくことが、いちばんのトラブル予防になります。
このページの要点です。
- 始める時期に決まりはない。法要・相続・退去期限に合わせる
- 費用は部屋の広さと荷物の量で変わる。公開調査の平均は47万1,700円
- 自分でやるか業者かは「荷物の量」と「使える時間」で決める
- トラブルの大半は「追加料金」「キャンセル料」「誤処分」。書面確認で防ぐ
- 貴重品・重要書類は、作業前に自分で分けておく
いつから始める?時期の目安
遺品整理を「いつから始めるべきか」という決まりはありません。多くの方は、次のような区切りに合わせて始めています。
- 法要の区切り。四十九日や一周忌など、親族が集まる機会にあわせて進める
- 相続手続きの都合。相続に必要な書類(通帳・権利証・保険証書など)を探すために早めに着手する
- 賃貸住宅の退去期限。家賃が発生し続けるため、期限から逆算して段取りを組む
急ぐ事情がなければ、気持ちが落ち着いてからで問題ありません。ただし賃貸の場合は時間が費用に直結します。退去日が決まっているなら、そこから逆算して「いつ業者に頼むか」「自分でどこまでやるか」を先に決めておくと、あとで慌てずに済みます。法要の日程を確認したいときは、命日から四十九日や回忌を計算できる法要日程計算機が使えます。
費用の目安(公開調査より)
遺品整理の費用は、部屋の広さ・荷物の量・地域・作業内容で大きく変わります。参考になる公開データとして、鎌倉新書が2020年に公表した「第4回お葬式に関する全国調査」があります。
同調査(遺品整理費用の回答者485人)では、遺品整理にかかった費用の平均は47万1,700円でした。金額の分布では「25万円未満」が62.3%と、6割以上を占めています。つまり、平均は約47万円ですが、実際には25万円未満で収まった人が最も多い、という読み方になります。一部の高額なケースが平均を押し上げているためです。
出典: はじめてのお葬式ガイド(鎌倉新書)「第4回お葬式に関する全国調査」(2020年/遺品整理費用n=485)
この数字の使い方
この平均額は「実際にかかった額」の調査であり、あなたの家に当てはまる見積もりではありません。費用は荷物の量と部屋の広さで大きく動きます。金額は必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容とセットで比べてください。
自分でやるか、業者に頼むか
判断の分かれ目は、シンプルに2つです。「荷物の量」と「使える時間」。
- 自分でやる … 荷物が少なく、時間に余裕がある場合。費用は処分費と運搬費だけで済みます。ただし大型家具の運び出しや、自治体のごみ出しルールの確認に手間がかかります
- 業者に頼む … 荷物が多い、遠方に住んでいる、退去期限が迫っている場合。費用はかかりますが、短時間で片づきます
貴重品や重要書類の捜索だけ自分で行い、それ以外を業者に任せる、という分担もよく行われています。まず自分で貴重品を確保してから業者を入れると、誤って処分される心配が減ります。
トラブルを避ける(国民生活センターの注意喚起)
遺品整理サービスをめぐっては、国民生活センターが2018年に注意を呼びかけています。同センターに寄せられた相談件数は、2013年度73件、2014年度109件、2015年度90件、2016年度114件、2017年度105件と、毎年100件前後で推移していました。
公表された相談事例には、次のようなものがあります。
- 見積もりのつもりで呼んだ業者に、その場で契約をせかされた
- 契約後に解約を申し出たところ、高額なキャンセル料を請求された
- 作業当日に予定外の追加料金を求められ、最終的に見積もりの約2倍を請求された
- 処分しないよう頼んでいた物(通帳・遺言書など)を勝手に処分された
出典: 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)
同センターは、消費者へのアドバイスとして次の点を挙げています。要点をまとめると、次のとおりです。
- 複数の業者から見積もりを取り、料金と作業内容を比べる
- 作業内容と費用を明確に出してもらい、見積書の内容を十分に確認する
- キャンセル料の発生時期・金額を、契約前に確認しておく
- 残す遺品と処分する遺品を明確に分けておく
- トラブルになったら、消費生活センター(消費者ホットライン「188」)に相談する
見積もりが他社より安いことだけを理由にすぐ契約せず、内訳と作業範囲が自分の希望に合っているかを確かめてから決めてください。
重要書類は先に自分で確保する
国民生活センターの事例では、通帳・印鑑・遺言書・保険証書などが誤って処分された相談も報告されています。作業前に、残したい物は別の部屋へ移すか、業者が分かるように印をつけておくのが確実です。自分で運び出せない場合は、残す物と処分する物を目立つように分けておきましょう。
仏壇・お墓とまとめて進めるとき
遺品整理の中で、仏壇や位牌の扱いに迷うことがあります。仏壇や位牌は家財と一緒に処分してよいものではなく、先に「魂抜き(閉眼供養)」を済ませるのが一般的です。手順は仏壇の処分方法と位牌の処分方法にまとめています。
お墓の片づけ(墓じまい)を同じ時期に考える方は、墓じまいとはもあわせてご覧ください。葬儀後にやることを順番に確認したい場合は、葬儀の流れが全体像の把握に役立ちます。
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よくある質問
遺品整理はいつから始めればいいですか?
いつから始めるという決まりはありません。四十九日や一周忌などの法要の区切り、相続手続きの都合、賃貸住宅の退去期限などに合わせて始める方が多くいます。急ぐ事情がなければ、気持ちが落ち着いてからで問題ありません。ただし賃貸は家賃が発生し続けるため、退去期限から逆算して段取りを組むと負担が減ります。
遺品整理の費用はどのくらいかかりますか?
鎌倉新書の全国調査(2020年公表・n=485)では、遺品整理にかかった費用の平均は47万1,700円で、「25万円未満」が62.3%と6割以上を占めていました。実際の金額は、部屋の広さ・荷物の量・地域・作業内容で大きく変わります。金額は必ず複数の業者から見積もりを取って比べてください。
自分でやるのと業者に頼むのは、どちらがいいですか?
量が少なく時間に余裕があれば自分で進められますが、量が多い、遠方、期限が迫っている場合は業者に頼むほうが現実的です。判断の分かれ目は「荷物の量」と「使える時間」です。貴重品や重要書類の捜索だけ自分で行い、それ以外を業者に任せる、という分担もよく行われています。
遺品整理でよくあるトラブルは何ですか?
国民生活センターには、見積もり後に予定外の追加料金を請求された、高額なキャンセル料を求められた、残しておくよう頼んだ物を勝手に処分された、といった相談が公表されています。契約前に作業内容と費用の内訳を書面で確認し、残す物と処分する物を明確に分けておくことが、トラブルを避ける基本です。
重要書類や貴重品が処分されないか心配です。
国民生活センターの事例では、通帳・印鑑・遺言書・保険証書などが誤って処分されたという相談も報告されています。作業前に、残しておきたい物は別の部屋へ移すか、業者が分かるように印をつけておくのが確実です。自分で運び出せない場合は、残す物と処分する物を目立つように分けておきましょう。
出典