永代供養は、霊園や寺院が家族に代わって遺骨の管理・供養を続けてくれる仕組みで、お墓を継ぐ人がいなくても申し込めます。費用は合祀・集合・個別の形式で大きく変わります。公開調査の費用データと、契約前の確認リストつき。
永代供養とは、遺骨の管理や供養を、家族に代わって霊園や寺院が続けてくれる仕組みです。お墓を継ぐ人がいなくても申し込めます。費用は「合祀・集合・個別」のどの形式かで大きく変わり、全国一律の相場はありません。「永代」は「永久にそのまま」という意味ではなく、一定期間のあとに合祀される契約が多い点だけは、申し込む前に必ず確認してください。
この記事の要点は次の4つです。
- 永代供養は「お墓の形」ではなく「供養を引き受けてもらう仕組み」。樹木葬や納骨堂にも付けられる
- 形式は大きく3つ(合祀型・集合型・個別型)。合祀された遺骨は取り出せない
- 費用は霊園・プランで大きく異なる。参考データとして、永代供養付きが中心の樹木葬の平均購入価格は71.7万円(2026年公表の全国調査)
- 契約前に確認するのは「合祀のタイミング」「供養の内容」「追加費用」の3点
永代供養とは|供養を引き受けてもらう仕組み
永代供養(えいたいくよう)とは、遺骨の管理や供養を、家族に代わって霊園や寺院が続けてくれる仕組みです。お墓を継ぐ人を前提としないため、「子どもにお墓の負担を残したくない」「継ぐ人がいない」という理由で選ばれています。
承継を前提としないお墓は、すでに珍しい選択ではありません。株式会社鎌倉新書が2026年に公表した「第17回 お墓の消費者全国実態調査」(2025年にお墓を購入した1,267人が対象)では、購入したお墓の種類は樹木葬が47.4%で最も多く、合祀墓・合葬墓が16.4%、納骨堂が15.5%、一般墓が15.2%でした。樹木葬や納骨堂の多くには永代供養が付いています。
出典: 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
「永代」は「永久」という意味ではない
多くの施設では、遺骨を骨壺のまま個別に安置する期間に「十七回忌まで」「三十三回忌まで」といった期限が設けられています。期限を過ぎると、他の方の遺骨と合わせて埋葬(合祀・ごうし)されるのが一般的です。
合祀された後も供養そのものは続きますが、遺骨を個別に取り出すことはできなくなります。「永代」が指しているのは「施設が続く限り供養を続ける」ことであって、「遺骨をずっとそのままの形で預かる」ことではありません。ここを誤解したまま契約すると、後から遺骨を移したくなったときに動けなくなります。
永代供養の主な形式
形式は大きく3つに分かれます。名称は施設によって違うため、資料では「遺骨がどう扱われるか」で見分けてください。
| 形式 | 遺骨の扱い | 特徴 |
|---|---|---|
| 合祀型(合葬型) | 最初から他の方の遺骨と一緒に埋葬 | 費用を最も抑えやすい。後から遺骨を取り出せない |
| 集合型 | 骨壺のまま、共有の施設内に個別に安置 | 墓標は共有。安置期間後に合祀へ移る施設が多い |
| 個別型 | 一定期間、個別の区画やお墓に安置 | 個別のお参りがしやすい。期限後に合祀へ移ることが多い |
このほか、樹木葬・納骨堂・一般墓に「永代供養付き」のプランが用意されていることもあります。樹木や草花を墓標にしたい方は、樹木葬の仕組みと注意点もあわせて確認してください。
費用の考え方
永代供養そのものの全国平均費用を示す公的な統計は、確認できる範囲では見当たりません。費用は霊園・寺院やプランによって大きく異なります。断定的な「相場」を示しているサイトもありますが、根拠の書かれていない数字は参考にしないほうが安全です。
参考にできるのは、お墓の種類別の実勢データです。前述の鎌倉新書の調査(2026年公表)では、平均購入価格は次のとおりでした。永代供養付きのプランが中心の樹木葬・納骨堂は、一般墓の半分程度に収まっています。
| お墓の種類 | 平均購入価格 |
|---|---|
| 樹木葬 | 71.7万円 |
| 納骨堂 | 81.5万円 |
| 一般墓 | 152.0万円 |
※ お墓のポータルサイト「いいお墓」経由で2025年に購入した1,267人への調査。地域や区画によって実際の価格は大きく変わります。
出典: 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
費用を左右する4つの要素
- 形式(合祀か、個別安置か。個別のほうが高くなる傾向)
- 個別安置の期間(長いほど高くなる傾向)
- 埋葬する人数(1人用か、夫婦用・家族用か)
- 立地と運営主体(都市部の霊園か、郊外の寺院か)
料金は「永代供養料」だけで完結しないことがあります。納骨の手数料、銘板への刻字料、年間管理費(かからない施設もあります)などが別建てになっていないか、内訳の書かれた見積もりを必ずもらってください。
選び方と契約前の確認リスト
見学と資料請求の段階で、次の6点を確認しておくと後悔しにくくなります。
- 合祀のタイミング(いつまで個別に安置されるか。最初から合祀か)
- 供養の内容と頻度(合同法要が年に何回あるか、立ち会えるか)
- 追加費用の有無(年間管理費・刻字料・法要時のお布施など)
- お参りの方法(参拝スペースの場所、線香・供花の可否)
- 宗旨・宗派の条件(申し込みに条件があるか、檀家になる必要があるか)
- 運営主体(寺院か、公営か、民営か。管理の体制)
確認を書面で行うことも大切です。国民生活センターには、お墓に関する相談が毎年1,000件を超えて寄せられています(PIO-NETに登録された「墓」の相談件数は2022年度1,148件、2023年度1,044件、2024年度1,013件)。公表されている事例には、遠方の寺院の永代供養墓から遺骨を近くの霊園へ移そうとしたところ、高額な離檀料を請求されて話が進まない、というものがあります。口頭の説明だけで決めず、契約書と料金の内訳を読み合わせてから申し込んでください。
出典: 国民生活センター「墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)」(2025年8月更新)
宗派・地域による違い
永代供養の呼び方や供養の形式は、宗派だけでなく地域や寺院、家ごとの慣習によっても異なります。この記事は一般的な例のご紹介です。迷ったときは、菩提寺や検討中の霊園・寺院に直接確認するのが確実です。
納骨はいつ行う?
納骨の時期に法律上の期限はありません。四十九日や一周忌などの法要に合わせて納骨する方が多いとされています。法要の日取りを確認したいときは、命日から四十九日・回忌を自動計算できる法要日程計算機が使えます。法要時にお寺へ渡すお金については、お布施の相場と渡し方にまとめています。
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よくある質問
永代供養にすると、お墓参りはできなくなりますか?
できます。合祀墓や樹木葬にも参拝スペースが設けられているのが一般的です。ただし個別のお墓と違い、遺骨のすぐ前に立てるとは限りません。お参りの方法や線香・供花の可否は施設ごとに違うため、見学のときに確認すると安心です。
永代供養と樹木葬はどう違いますか?
永代供養は「霊園や寺院が遺骨の管理・供養を引き受ける仕組み」、樹木葬は「樹木や草花を墓標にするお墓の形」です。樹木葬の多くに永代供養が付いているため重なって見えますが、言葉が指しているものが違います。
永代供養にした遺骨を、あとから別のお墓に移せますか?
個別に安置されている期間中は、改葬(遺骨の引っ越し)ができる場合があります。ただし他の方の遺骨と合祀された後は、取り出せないのが一般的です。改葬には、墓地、埋葬等に関する法律に基づく市区町村長の許可も必要です。契約前に、合祀のタイミングを必ず確認してください。
出典