メインコンテンツへスキップ
作法

souzoku

相続時精算課税制度とは|仕組み・対象者・一度選ぶと戻れない点

相続時精算課税制度とは|仕組み・対象者・一度選ぶと戻れない点
この記事のまとめ

相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与で選択できる贈与税の制度です。年110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除があり、超えた分は一律20%。相続時に贈与財産を合算して精算します。一度選ぶと暦年課税には戻れません。

結論

相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で選択できる贈与税の制度です(国税庁No.4103)。年110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除を超えた分に一律20%。贈与した人が亡くなったら、贈与財産を相続財産に合算して相続税で精算します。一度選ぶと暦年課税には戻れません。

要点は次の4つです。

  • 「贈与のときは軽く、相続のときにまとめて精算」する仕組み
  • 使えるのは60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与(年齢はその年の1月1日時点)
  • 110万円(毎年)→2,500万円(累計)の順に控除し、超えた分は一律20%
  • 選択は取り消せない。選ぶ前に税理士への相談を

どういう仕組みか

名前のとおり「相続の時に精算する課税」です。流れで見るのが分かりやすいと思います。

場面起きること
贈与のとき特定贈与者ごとに、基礎控除110万円 → 特別控除2,500万円(累計・限度額)の順に控除。残りに一律20%の贈与税
相続のとき贈与された財産(原則、贈与時の価額)を相続財産に合算して相続税を計算。納めた贈与税相当額を差し引き、引ききれなければ還付

出典: 国税庁 タックスアンサー No.4103「相続時精算課税の選択」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm

基礎控除110万円は令和6年(2024年)1月1日以後の贈与から新設されたもので、それ以前の制度とは扱いが変わっています。古い解説記事を読むときは年度に注意してください。

誰が使えるか

  • 贈与者: 贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母など
  • 受贈者: 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上で、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫

年齢の判定が「その年の1月1日時点」である点は間違えやすいところです。

一度選ぶと戻れない

この制度を選択すると、その年分以降、その贈与者からの贈与にはすべて相続時精算課税が適用され、暦年課税(年110万円の基礎控除で毎年課税が完結する通常の方式)へ変更することはできません(国税庁No.4103)。

得になるか損になるかは、財産の種類、将来の相続財産の総額、他の相続人との関係によって変わり、一概には言えません。当サイトでは有利不利の判断は扱いません。取り消せない選択だからこそ、選ぶ前に税理士に試算してもらってください。

相続税とのつながり

精算のときの相続税の計算は、通常の相続と同じく基礎控除や税率の仕組みに乗ります。相続税とはで全体像を、基礎控除計算機で課税の分かれ目を確認できます。

個別の判断は専門家へ

この記事は国税庁の公表資料に基づく制度の一般的な説明です。この制度を選ぶべきかどうか、いくら贈与するのが適切かといった個別の判断は、財産構成や家族状況によって答えが変わるため扱いません。必ず税理士か税務署に相談してください。

関連ページ

#相続時精算課税 #贈与 #相続税 #生前贈与

よくある質問

相続時精算課税制度とは何ですか?

原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などへ財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です(国税庁タックスアンサーNo.4103)。贈与の時点では基礎控除110万円と特別控除2,500万円までの税負担を抑え、贈与した人が亡くなったときに、贈与財産を相続財産と合算して相続税で精算します。

誰が使えますか?

贈与者は、贈与をした年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母など。受贈者は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上で、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫です(国税庁No.4103)。

110万円と2,500万円はどういう関係ですか?

特定贈与者ごとに、まず基礎控除額110万円(令和6年1月1日以後の贈与から新設)を差し引き、次に特別控除額2,500万円(限度額・累計)を差し引きます。それでも残る額に一律20%の贈与税がかかります(国税庁No.4103)。

一度選んだらやめられますか?

やめられません。選択した年分以降、その贈与者からの贈与にはすべてこの制度が適用され、暦年課税へ変更することはできないとされています(国税庁No.4103)。取り消せない選択なので、選ぶ前に税理士へ相談することを強くおすすめします。

相続のときはどう精算されますか?

贈与者が亡くなったとき、相続財産に、この制度を使って贈与された財産(原則として贈与時の価額)を合算して相続税額を計算し、すでに納めた贈与税相当額を差し引きます。引ききれない場合は還付の対象になります(国税庁No.4103)。

出典

  1. 国税庁 タックスアンサー No.4103「相続時精算課税の選択」