相続放棄とは、プラスの財産も借金も含めて一切を相続しない選択です。自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述します。費用は収入印紙800円と郵便切手。裁判所・国税庁の一次資料で整理しました。
相続放棄とは、プラスの財産も借金も含めて、相続の一切を引き継がない選択です。期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(民法915条)。被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述し、費用は申述人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です(裁判所)。
要点は次の4つです。
- 期限は「知った時から3か月」。間に合わないときは期間伸長の申立てという方法がある
- 申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
- 裁判所に納める費用は収入印紙800円+郵便切手
- 放棄すると初めから相続人でなかったことになり、代襲相続も起きない
相続放棄とは|借金も財産も、一切を引き継がない
相続は、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐ仕組みです。相続放棄は、その一切を引き継がないという家庭裁判所への意思表示で、「借金の方が多い」「関わりを持ちたくない」といった場面で使われます。
放棄が受理されると、初めから相続人でなかったものとされます(国税庁タックスアンサーNo.4132)。中間の選択肢として、プラスの財産の範囲内でだけ債務を引き継ぐ限定承認という制度もありますが、要件や手続きが複雑なため、検討する場合は弁護士・司法書士に相談してください。
期限|知った時から3か月
申述の期限は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」です(民法915条・裁判所)。死亡日ではなく「知った時」が起算点です。
3か月のあいだに財産の調査が終わらず、承認か放棄かを決められないときは、家庭裁判所に期間伸長の申立てをする方法があります。期限ぎりぎりに慌てないよう、借金の有無の調査は早めに始めてください。
手続き|どこに・いくらで・何を出すか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申述先 | 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 収入印紙800円分(申述人1人につき)+連絡用郵便切手(金額は裁判所ごと) |
| 主な書類 | 相続放棄の申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本など |
出典: 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
必要書類は、申述する人の相続順位(子か、親か、兄弟姉妹か)によって変わります。管轄の家庭裁判所のサイトで自分のケースの一覧を確認してください。
放棄した後はどうなるか
- 初めから相続人でなかったものとされ、プラスの財産も受け取れません(国税庁No.4132)
- 自分の子が代わって相続すること(代襲相続)は起きません。詳しくは代襲相続とは
- 先順位の全員が放棄すると、相続権は次順位(直系尊属→兄弟姉妹)へ移ります。突然相続人になった親族が戸惑わないよう、放棄したことを伝えておくと親切です
- 相続税の基礎控除額を計算するときの「法定相続人の数」だけは、放棄がなかったものとした人数で数えます(国税庁No.4152)。基礎控除計算機の注記も参照してください
個別の判断は専門家へ
この記事は制度の一般的な説明です。放棄すべきかどうか(財産調査の結果の評価)、3か月を過ぎてしまった場合の対応、限定承認との比較は個別性が高いため扱いません。判断に迷うときは、早めに弁護士・司法書士に相談してください。
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よくある質問
相続放棄はいつまでにすればよいですか?
自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述する必要があります(民法915条・裁判所「相続の放棄の申述」)。3か月で判断できない事情があるときは、家庭裁判所に期間伸長の申立てをする方法があります。
相続放棄の費用はいくらかかりますか?
家庭裁判所に納める費用は、申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です(切手の金額は裁判所ごとに異なります)。このほかに戸籍謄本などの取得費用がかかります。司法書士や弁護士に依頼する場合の報酬は事務所ごとに異なるため、依頼前に見積もりを確認してください(裁判所「相続の放棄の申述」)。
どこの家庭裁判所に申述しますか?
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です(裁判所「相続の放棄の申述」)。申述人(放棄する人)の住所地ではない点に注意してください。
相続放棄をすると、どうなりますか?
初めから相続人でなかったものとされます(国税庁タックスアンサーNo.4132)。借金を引き継がない代わりに、プラスの財産も受け取れません。また、自分の子が代わりに相続すること(代襲相続)も起きません。先順位の相続人全員が放棄すると相続権は次順位に移るため、親族への一報も忘れずに。
出典