初盆の服装は、施主・親族側は喪服が無難、参列側は案内に従うのが基本です。平服の指定があれば略喪服で。真夏の法要ならではの上着や半袖の扱い、数珠など持ち物、男女・子ども別の目安をまとめました。地域や家によって異なります。
初盆の服装は、招く側の施主・親族は喪服(準喪服・ブラックフォーマル)が無難です。参列する側は案内に従うのが基本で、案内状に「平服で」とあれば略喪服(ダークスーツや地味な色のワンピース)で構いません。指定がなければ、参列側も喪服か黒・紺などの落ち着いた服装にしておくと安心です。初盆は真夏の法要なので、上着の着脱で暑さを調整します。
この記事の要点です。
- 施主・親族側は喪服が無難。参列側は案内があればそれに従う
- 「平服」は普段着ではない。ダークスーツや地味な色のワンピースを指す
- 夏でもマナーは同じ。式が始まるときは上着を着る。中の白シャツは半袖でも可
- 数珠と香典を持参。表書きは四十九日を過ぎているため「御仏前」が一般的
- 自宅の内輪と会館の法要で装いの重さは変わる。地域や家によって異なる
このページは初盆(新盆)の服装に絞って解説します。四十九日から三回忌以降までの服装の移り変わり(いつから平服にするか)は法事の服装に、一周忌に特化した服装は一周忌の服装にまとめています。初盆そのものの時期や準備の流れは初盆(新盆)とはをどうぞ。
初盆の服装は「夏の喪服」で考える
初盆はお盆の時期に営むため、8月(地域によっては7月)の暑い盛りに行われます。それでも装いの基本は、ほかの法要と変わりません。
小さなお葬式の解説では、法要の服装マナーは季節を問わず同じとされています。暑いからといって軽装で臨むのではなく、夏用の薄手の喪服・スーツを選ぶ、上着を脱ぐタイミングで調整する、という形で暑さと折り合いをつけます。
「初盆だから特別に軽くてよい」という決まりはありません。招く側か招かれる側か、案内に平服の指定があるかどうか、この2点で装いが決まります。
施主・親族側の服装
初盆に人を招く施主・親族側は、喪服が無難です。参列者が喪服で来るのに、迎える側が軽装では格が逆転してしまうためです。
小さなお葬式の解説では、施主・親族側の男性は濃い黒のスーツ、女性はブラックフォーマルのスカートスーツが基本とされています。
男性は次の組み合わせです。
- 濃い黒のスーツ(ジャケット・パンツとも黒で統一)
- 白無地のシャツに黒無地のネクタイ
- ネクタイピン・カフスボタンは使わない
- 靴・靴下・ベルトは黒。光沢の強いものは避ける
女性はブラックフォーマルのスカートスーツやワンピースに、袖のあるジャケットやブラウスを合わせます。黒いストッキングを履き、アクセサリーを着けるなら真珠のネックレスやイヤリングまでにとどめます。
施主側が「身内だけだから」と平服で営みたいときは、案内の段階で参列者全員に「平服で」と伝えてそろえておきます。この一言がないと、参列者は喪服で来ます。
参列側(招かれた人)の服装
参列する側は、案内状の指定が最優先です。
- 「平服でお越しください」とある → 略喪服。男性は黒・紺・チャコールグレーのダークスーツ、女性は同系色のワンピースやスーツ
- 服装の指定がない → 喪服、または黒・紺などの落ち着いた服装にしておくと無難
小さなお葬式の解説では、友人・知人として法要に参列する場合は略喪服が一般的とされています。判断に迷う要素があるなら、格が高い分には失礼になりません。地味で控えめな側に寄せておけば、大きく外しません。
「平服で」と案内されたら
初盆の案内で最も迷いやすいのが、この「平服」です。平服は普段着ではありません。略喪服のこと、つまり地味な色のダークスーツやワンピースを指します。
- 男性 — 黒・紺・チャコールグレーのダークスーツに白シャツ、黒無地のネクタイ
- 女性 — 黒・紺・グレーなど落ち着いた色のワンピースやスーツ
- 避けるもの — ジーンズ、Tシャツ、スニーカー、明るい色や光沢のある素材、露出の多い服
全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)は、弔事の装いについて、黒を基調とした落ち着いた色合い・光沢や装飾を控える・肌の露出を抑えるの3点を基本とし、控えめであることこそが最大のマナーと解説しています。平服の指定があっても、この軸は変わりません。
夏の初盆|暑さとマナーの折り合い
初盆ならではの悩みが、真夏の暑さです。小さなお葬式の解説では、夏でも服装マナーは季節を問わず同じとされたうえで、次の折り合いのつけ方が案内されています。
- 会場に着いて法要が始まるまでは、上着を脱いで手に持っていてよい
- 法要が始まるときは必ず上着を着る
- 中に着る白シャツは半袖でも問題ない
- 暑さが心配なら夏用(薄手)の喪服・スーツを用意する
いわゆるクールビズのようにノーネクタイ・ノージャケットで通すのは、弔事の場では避けたほうが無難です。上着は「ずっと着ているもの」ではなく「式の間だけ着て、前後は手に持って調整するもの」と考えると気が楽になります。会場は冷房が効いていることも多いので、羽織るものが1枚あるとかえって安心です。
女性はノースリーブ1枚での参列を避け、上に羽織りものを添えてください。汗を拭くための無地のハンカチを用意しておくと、夏の法要では役に立ちます。
数珠と香典など、持ち物
服装が決まったら持ち物です。初盆の参列では、数珠と香典を持参します。
全互協(全日本冠婚葬祭互助協会)の解説では、数珠は市販のものであればどの宗派でも使えるとされ、参列時に持参するものとして案内されています。宗派によって珠の形が違う本式の数珠もありますが、市販の略式の数珠で差し支えありません。
香典は、四十九日を過ぎているため表書きは「御仏前(ごぶつぜん)」が一般的とされています。香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが丁寧です。金額の目安やお供え物との違いは初盆の香典相場にまとめています。
男性・女性・子ども別の目安
立場(施主か参列か)で装いの重さは変わりますが、性別・年齢ごとの基本は共通です。
男性は、黒または地味な色のスーツに白無地のシャツ、黒無地のネクタイ。光沢のない黒い革靴を合わせ、ネクタイピンやカフスボタンなどの光り物は外します。夏は半袖の白シャツでも構いませんが、式の間は上着を着ます。
女性は、黒や地味な色のワンピース・スーツに黒いストッキング。アクセサリーは真珠の一連ネックレスまでにとどめ、メイクは控えめに。素足やサンダルは避けます。
子どもは、学校の制服があれば制服が正装です。制服に明るい色のネクタイやリボンが付いていれば外し、白シャツと黒系の靴下を合わせます。制服がなければ、白いシャツやブラウスに黒・紺・グレーのズボンやスカートで十分です。赤ちゃんは、黒やグレーなど落ち着いた色の、できるだけ無地でシンプルな服を選べば問題ありません。夏なので、子どもには通気性のよい素材を選び、色味だけ落ち着かせると負担が減ります。
自宅の内輪の初盆と、会館の法要の違い
初盆をどこで営むかによって、装いの重さの受け止め方は変わります。
家族や近い親族だけで自宅で静かに迎える初盆では、黒や紺など落ち着いた色の服装にとどめ、喪服まではしない家庭もあります。一方、菩提寺の本堂や葬祭会館に人を招いて法要を営む場合は、施主側は喪服、参列側も案内に沿った装いで臨むのが一般的です。
自宅で畳に座る時間が長くなりそうなら、脱ぎ履きしやすい靴と、正座しても苦しくない服を選んでおくと当日楽です。素足は避け、黒や地味な色の靴下・ストッキングを履いていきます。
どの重さで営むか、どの重さで参列するかは、地域や家、宗派によって考え方が分かれます。招く側なら親族の年長者や菩提寺に、招かれた側なら案内状の指定と施主の意向に合わせるのが確実です。
地域・宗派・家による違い
初盆の迎え方と服装の考え方は、地域や宗派、家ごとの慣習によって異なります。この記事は一般的な例のご紹介です。参列側は案内状の指定を最優先し、迷ったときは施主や親族の年長者に確認するのが確実です。喪服全般の考え方は葬式の服装マナーもあわせてどうぞ。
よくある質問
初盆の案内に「平服でお越しください」とありました。何を着ればいいですか?
平服は普段着ではなく、略喪服と呼ばれる控えめな装いを指します。男性は黒・紺・チャコールグレーのダークスーツに白シャツと黒無地のネクタイ、女性は黒や紺など落ち着いた色のワンピースやスーツが目安です。ジーンズやTシャツ、明るい色や光沢のある服は避けます。指定がないときは、施主側は喪服が無難です。
初盆は真夏の法要ですが、上着なしで参列してもいいですか?
小さなお葬式の解説では、服装マナーは季節を問わず同じで、法事が始まる際は上着を必ず着用するとされています。会場に着くまでは上着を脱いで手に持っていて問題ありません。中に着る白シャツは半袖でもよいとされているので、夏用の薄手のスーツと組み合わせると過ごしやすくなります。
初盆に持っていくものは何ですか?
数珠と香典を持参します。全互協の解説では、数珠は市販のものであればどの宗派でも使え、参列時に持参するものとされています。香典は四十九日を過ぎているため表書きは「御仏前」が一般的で、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。夏場は汗を拭くための無地のハンカチもあると安心です。
初盆の子どもの服装は何を着せればいいですか?
学校の制服があれば制服が正装です。制服に明るい色のネクタイやリボンがあれば外し、白シャツと黒系の靴下を合わせます。制服がなければ、白いシャツやブラウスに黒・紺・グレーの落ち着いた色のズボンやスカートで十分です。夏なので、通気性のよい素材を選び、色だけ落ち着かせると子どもの負担が減ります。
自宅で家族だけの初盆でも喪服を着るべきですか?
身内だけで自宅で営む場合は、黒や紺など落ち着いた色の服装にとどめる家庭もあります。ただし施主側が軽装で参列者が喪服だと格が逆転するため、平服でそろえたいときは事前に全員へ「平服で」と伝えます。迎え方は地域や家によって異なるので、親族の年長者に確認すると迷いません。
出典