三回忌のお布施に決まった金額はありません。確かめ方の近道は、一周忌で同じお寺に包んだ額という自分の家の前例です。規模を縮めた家族だけの法要での考え方、袋の書き方、渡し方、満2年という数え方の注意までまとめました。
三回忌のお布施に、全国一律の決まった金額はありません。ただし三回忌には、四十九日や一周忌になかった手がかりがあります。同じお寺に一周忌で包んだ額という、自分の家の前例です。迷ったらまず前回の記録や記憶をたどり、それでも分からなければ菩提寺に直接尋ねてください。なお三回忌は亡くなって満2年(一周忌の翌年)です。日付の数え間違いにも気をつけてください。
この記事の要点です。
- お布施に定価はない。全日本仏教会も価格一覧の表示を認めない立場
- いちばんの手がかりは、一周忌で同じお寺に包んだ自分の家の前例
- 規模を縮めた法要でも、お布施の考え方は変わらないとするのが安全
- 三回忌は満2年。回忌の数え方は思い違いが起きやすい
- 封筒は白無地に「御布施」、渡すときは切手盆か袱紗に載せる
三回忌のお布施に定価はない
三回忌のお布施について、官公庁や業界団体が公表した金額の調査は見つかりませんでした。「一周忌より少なめでよい」といった比較の目安も、根拠となる統計を確認できません。当サイトは出典を示せない金額を載せない方針のため、この記事では金額ではなく確かめ方をお伝えします。
前提として、お布施は読経というサービスへの支払いではありません。全日本仏教会は2011年の文書で、お布施の金額を一覧表示することは喜捨(きしゃ・自らの意思で差し出す施し)の精神に反するとして認めない立場を示しています。金額は本来、包む側が決めるものです。この位置づけの詳しい説明はお布施の相場と渡し方にまとめています。
いちばんの手がかりは「一周忌の前例」
三回忌を迎える家には、四十九日と一周忌をすでに営んできた実績があります。確かめる順番は次の形が現実的です。
- 一周忌で包んだ額を確認する。同じお寺・同じ家の前例なので、これ以上実情に近い答えはありません
- 記録がなければ、親族の年長者に過去の法事の額を聞く
- それでも分からなければ、菩提寺に直接尋ねる。「皆さまはどのくらいお包みでしょうか」という聞き方なら角も立ちません
法事のたびに包んだ額をメモしておくと、七回忌以降も迷わずに済みます。過去の香典やお布施の記録は、家の中で引き継がれるほど価値が出る情報です。
次の法要のための覚え書きを残す
三回忌が終わったら、その日のうちに次の4点をメモしておくことをおすすめします。
- お布施として包んだ額
- 御車代・御膳料の有無と額
- 会食の有無と会場
- お寺とのやり取りで言われたこと(次回の時期の話など)
七回忌は4年後です。記憶は確実に薄れますし、施主が代替わりしている可能性もあります。この覚え書きが、そのまま次の施主への引き継ぎ資料になります。
規模を縮めても、お布施の考え方は変わらない
三回忌からは、案内する範囲を親族だけに絞ったり、会食を省いたりして、規模を縮めて営む家庭も多く見られます。そこで出てくるのが「規模を縮めたのだから、お布施も減らしていいのか」という迷いです。
参列者の人数や会食の有無とお布施は、別のものと考えるのが安全です。お布施は読経をお願いするお寺への感謝として包むもので、会場の規模や料理の数で決まる料金ではないためです。読経をお願いする内容が前回と同じなら、前例と同じ考え方で包むのが自然です。
事情があって難しいときは、金額を黙って変えるのではなく、日程相談のときに率直にお寺へ相談してください。お布施は本来包む側が決めるものであり、生活を圧迫してまで包む必要はありません。
会食を設けない場合の御膳料
規模の縮小で判断が分かれやすいのが御膳料(おぜんりょう)です。本来は、法要後の会食を僧侶が辞退されたときに食事の代わりとして包むものとされています。会食自体を設けない場合にどう扱うかは地域や寺院によって考え方が分かれるため、日程相談の際に確認するか、親族の前例に合わせてください。
御車代(おくるまだい)は人数と関係なく、僧侶に自宅や会場まで出向いてもらったかどうかで判断します。寺院で営む場合や施主が送迎する場合は不要とされるのが一般的です。
袋の書き方と当日の渡し方
- 封筒は白無地のもの(郵便番号欄のないもの)か、「御布施」と印刷された市販の封筒
- 表書きは「御布施」または「お布施」。下段に施主の姓名か「〇〇家」と書く
- 墨は普通の濃さ。薄墨は香典など弔意を表す場面の作法とされる
- お札は新札で差し支えない
- 御車代・御膳料を包む場合は、白無地の封筒に分けて用意する
当日は手渡しを避け、切手盆(きってぼん・小さな黒いお盆)か袱紗(ふくさ)の上に載せて、文字の向きを僧侶側に回して差し出します。家族だけの法要で自宅に僧侶を招く場合も、この形は同じです。タイミングは読経が始まる前の挨拶時か、終わってお礼を伝えるとき。袱紗の扱いは袱紗とはで図解しています。
地域・宗派・寺院による違い
お布施の考え方や金額の慣例は、宗派だけでなく、地域や寺院、家ごとのお付き合いによっても異なります。この記事は一般的な例のご紹介です。迷ったときは、菩提寺や法要を手配する葬儀社に確認するのが確実です。
三回忌の日付を確かめてから寺に連絡する
三回忌は、亡くなってから満2年の祥月命日に営みます。回忌は亡くなった日を1回目と数えるため、「三回忌=3年後」ではありません。一周忌の翌年です。この数え方は思い違いが起きやすく、お寺に伝える日付を間違えると調整をやり直すことになります。
命日を入れるだけで三回忌以降の日付まで確認できる法要日程計算機で確かめてから連絡すると確実です。当日の流れや準備の全体像は三回忌はいつ?数え方の注意点と準備・お布施にまとめています。
三回忌のあとは七回忌、十三回忌と続き、三十三回忌を弔い上げ(最後の年忌法要)とする家庭が多いとされています。この先の見通しは回忌早見表で一覧できます。
よくある質問
三回忌のお布施はいくら包めばいいですか?
全国共通の決まった金額はありません。全日本仏教会は、お布施は喜捨の精神にもとづくものとして金額の価格一覧表示を認めない立場を示しています。三回忌ならではの近道は、同じお寺に一周忌で包んだ額という自分の家の前例を参考にすることです。迷ったら菩提寺に直接尋ねて差し支えありません。
三回忌は規模を縮めるので、お布施も少なくしていいですか?
参列者の人数や会食の有無とお布施は、別のものと考えるのが安全です。お布施は読経をお願いするお寺への感謝として包むもので、法要の規模で決まる料金ではないためです。事情が変わる場合は、日程相談のときに率直にお寺へ相談してください。
三回忌はいつ行いますか?数え方を教えてください。
亡くなってから満2年の祥月命日、つまり一周忌の翌年です。回忌は亡くなった日を1回目と数えるため、三回忌でも3年後ではありません。日付の思い違いが起きやすいので、命日を入れるだけで確認できる法要日程計算機で確かめてから、お寺に連絡すると安心です。
家族だけの法要でも御車代は必要ですか?
人数には関係なく、僧侶に自宅や会場まで出向いてもらったかどうかで判断します。出向いてもらったら御車代を包み、寺院で営む場合や施主が送迎する場合は不要とされるのが一般的です。会食を設けず僧侶が食事をされない場合の御膳料の扱いは地域差があるため、お寺か親族に確認してください。
お布施の表書きと墨はどうすればいいですか?
白無地の封筒に「御布施」と書き、下段に施主の姓名または「〇〇家」と書きます。墨は普通の濃さで問題ないとされています。薄墨は香典など弔意を表す場面の作法で、お布施はお寺への感謝として渡すものだからです。
出典