別世帯で暮らす孫は香典を包むのが一般的で、参列者調査では祖父母への香典は最多回答額5,000円・平均14,942円です(全互協)。親の扶養内なら不要とされます。出す・出さないの判断から夫婦連名の書き方まで。
就職や結婚で親と別の世帯になっている孫は、香典を包むのが一般的です。参列者調査では祖父母への香典は最多回答額5,000円・平均14,942円でした(全互協・令和3年度)。親の扶養内の学生は出さないのが一般的で、失礼にはあたらないとされています。夫婦なら連名で1つにまとめます。
要点は次の4つです。
- 出すかどうかは「世帯」で決まる。扶養内なら不要、独立していれば包むのが通例
- 同居していた孫は喪家側。包まずに手伝いへ回るのが一般的
- 金額の目安は参列者調査で最多5,000円。年代別の詳細は祖母・祖父の香典へ
- 夫婦は連名で1袋。きょうだいでまとめるなら「孫一同」という形もある
出す・出さないは「世帯」で判断する
孫の香典でいちばん多い迷いは、金額ではなく「そもそも出すのか」です。香典は世帯単位で包むもの、という考え方が広く共有されているため、自分の世帯がどこに属すかで整理できます。
- 親の扶養に入っている(学生・実家暮らしで生計が同じ)。親が世帯として包むため、自分では出さないのが一般的です
- 祖父母と同居していた。自分が喪家側なので包みません。受付や案内といった手伝いで葬儀を支える立場です
- 就職して生計が別、または結婚して世帯を持っている。自分(自分たち夫婦)の名前で包むのが通例です
この続柄には、ほかの参列者にはない強みがあります。喪主が親やおじ・おばである場合が多く、「香典はどうすればいい?」と直接聞けることです。家ごとの取り決め(孫からは受け取らない、孫一同でまとめる等)がある場合も多いので、迷ったら電話一本で確認するのが最短です。
金額の目安と、データの正直な範囲
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が個人葬の会葬者5,177名から回答を得た調査(令和3年度実施)では、故人が「祖父母」の場合の香典は最多回答額5,000円・平均14,942円でした。参列者として包んだ孫の回答は、この区分に含まれています。
出典: 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会「第6回 香典に関するアンケート調査」(令和3年度実施)
ただし、この数字でカバーできる範囲には限りがあります。
- この調査は葬儀の参列者に配られたアンケートです。喪家側の孫(同居していた場合など)が包んだ額のデータは存在しません
- 調査の集計区分に「孫」という続柄自体がなく、祖父母が孫の葬儀に包む逆方向のデータもありません
つまり「孫の香典の相場」として断定できる調査データはなく、確かなのは「参列者が祖父母に包んだ額」だけです。このページではその範囲で紹介しています。年代別の全データと、最多回答額と平均額の差の読み方は祖母・祖父の香典で詳しく解説しています。続柄をまたいだ比較は香典相場早見表へ。
夫婦連名で出す場合の書き方
結婚している孫が夫婦で参列する場合、香典袋は2つに分けず、連名で1つにまとめるのが一般的です。
- 表書きの下段中央に夫のフルネーム、その左に妻の名前だけを並べる形が広く使われています
- 中袋には金額と住所・氏名を書きます
- 通夜振る舞いや精進落としに2人とも同席するなら、その分をふまえて多めに包む配慮が広く行われています
金額をいくら上乗せするかに決まりはありません。いとこ同士(ほかの孫夫婦)と横並びになるよう、事前にすり合わせておくと当日に気を揉まずに済みます。孫同士の香典に差がつくと、そのあとの親世代の関係にまで響くことがあるためです。表書きや中袋の詳しい書き方は香典の書き方で図解しています。
「孫一同」でまとめる場合
孫がそれぞれ独立しているなら、別々に包むのが通例です。一方、孫の人数が多い場合や、まだ収入の少ない孫が混ざる場合は、まとめて「孫一同」として出す形も広く使われています。
- 表書きに書く名前は3名程度までとし、それを超えるときは「孫一同」と書いて、全員の氏名を書いた紙を中に入れる形式が知られています
- 香典ではなく、孫一同の名義でお花を出す形も広く見られます
どちらの場合も、先に喪主へ相談してください。祭壇まわりの手配は喪家側で進んでいることが多く、重複を避けるためです。
包むときの注意
包むと決めたら、通夜・葬儀の基本の作法はほかの続柄と同じです。
- 4と9の付く額、偶数は避けるのがタブーとされています(全互協・全葬連のマナー解説)
- 新札は「事前に用意していた」と捉えられるため避けるとされています
- 表書きは、仏式では四十九日より前は「御霊前」、以降は「御仏前」。浄土真宗では葬儀の時点から「御仏前」とされています。詳しくは御霊前とはへ
- 表書きは薄墨が正式とされますが、最近では黒インクでも問題ないとされています
地域・宗派・家ごとの違い
香典の額や作法は、地域の慣習、宗派、家ごとの取り決めによって異なります。この記事は全国調査と一般的な例のご紹介です。孫の立場なら、喪主(多くは親やおじ・おば)に直接確認できるはずです。遠慮なく聞いてください。
あわせて確認しておくこと
祖父母の葬儀に参列するときは、勤め先への忌引きの連絡も必要になります。日数は勤務先の就業規則によるため、忌引き日数チェッカーで目安を見たうえで人事に確認してください。
自分の年代での金額の目安をあらためて確認したいときは、続柄と年代を選ぶだけの香典相場診断が使えます。
よくある質問
大学生の孫ですが、祖父の香典は必要ですか?
親の扶養に入っている学生は、親が世帯として包むため、自分では出さないのが一般的です。失礼にはあたらないとされています。アルバイト収入があっても、扶養内であれば同じ考え方で問題ないとされます。気になる場合は親に一言確認してください。
孫夫婦で参列する場合、香典は2人分包みますか?
夫婦連名で1つにまとめるのが一般的です。表書きの下段中央に夫のフルネーム、その左に妻の名前だけを並べる形が広く使われています。会食に2人とも出る場合は、その分をふまえて多めに包む配慮も広く行われています。
祖父母と同居していた孫の場合はどうなりますか?
同居していた場合は喪家側にあたるため、香典は包まず、受付や親族の案内などの手伝いに回るのが一般的です。家によって扱いが異なるため、喪主(多くは親)に確認するのが確実です。
孫の香典の正確な相場データはありますか?
全互協の参列者調査に「祖父母」への香典の区分があり、参列した孫が包んだ額はここに含まれます(最多回答額5,000円・平均14,942円)。一方、喪家側の孫が包んだ額や、「孫」という続柄そのものの集計は調査に存在せず、データなしです。
香典を出さない代わりにできることはありますか?
受付や案内などの手伝いで葬儀を支えるのが、喪家側の孫の役割とされています。気持ちを形にしたい場合は、きょうだいと連名でお花やお供えを出す方法もあります。手配が重複しないよう、必ず喪主に相談してからにしてください。
出典